過去の成功にとらわれずに(UK Tquilaより)

 2014.11.18 Pasona Tquila

かつてコンピューターサイエンスを専攻していた者にとって、”tech geek”であることは最高にクールなことで、私自身も”tech geek”と言われることがとても誇らしかったのを覚えています。
それもずっと昔となった今、先日サンフランシスコでのSalesforceのアニュアルイベント、Dreamforceで全く新しいクールなことを見つけました。”全てのものがテクノロジーにつながる”世界です。

例えばDreamforce期間中、ファッションとテクノロジーの融合が具現化された例をいくつか目にしました。なかでも一番目立っていたのはwill.i.amのライフスタイル・ウェアラブル Pulsの発表で、これがあればほとんどの事は足りるのではと思いました。

Dreamforceガラのライブの喧噪の中で、私はこういう変化がIT業界にどんな影響を与えるか、とりわけビジネス・アプリケーションにどんな影響をもたらすかを考えていました。

結論から言うと、ビジネス・アプリケーションは進化を迫られるタイミングが来ていると思います。ターゲットとなるユーザーに受け入れられ、効果的なアプリケーションは、見栄えがよく、操作性がよく、スマートで効率的でなければなりません。しかしこれまで、往々にしてアプリケーションはそれを開発したエンジニアによって片手間でデザインされてきました。UXはデータやデータモデルに左右され、ユーザーがどう使うかはないがしろにされがちでした。その結果恐ろしく非効率なワークフローがアプリケーション内に出来てしまったり、ユーザーの使用感への配慮が欠如したツールが生まれてしまっていました。そして、そういったアプリケーションは誰も使わなくなるのです。強制でもされない限りは。

昨今のジェネレーションY向けにデザインされたアプリケーションや社内で使うようなアプリケーションは、エレガントで効率的であることが必須です。最近のコンピューターサイエンス専攻の若者にとってはグリーンスクリーンや非効率なプロセスに取り囲まれて働くことは魅力的には見えないでしょう。Googleや何千ものITスタートアップのように、創造性をかき立てられる環境が整っているところのほうが彼らにとってはよっぽど魅力的なのは当たり前です。私が言いたいことは、今のIT業界にとってのチャレンジはテクノロジーではない、ということです。少なくともビジネス・アプリケーションのエリアでは、テクノロジーは私たちの理解の範囲をとっくに超えるレベルにまで達した、と感じています。 最近Googleが特許を取得した電子タトゥー、これがビジネスに活用できるとしたらどうでしょう。SmartyRingやwill.i.amのPuls、ElectricfoxyのPing(世界初のスマート“パーカー”、着ている人の動きに反応してソーシャルネットーワークと情報連携する)といったウェアラブル・テクノロジーはあたり前のものになるでしょう。GPS完備はもちろん、あなたの奥さんがいつ帰ってくるかだけでなく、機嫌の善し悪しや赤ワインと白ワインどっちが飲みたいかまでわかるようになるかも知れません。

Girl in Pink Running Sport Shoesつまり、今私たちが直面しているチャレンジは、こうしたテクノロジーを使ってビジネスをいかに再構築できるか、そのアイデアと実現能力の有無であると思います。これはそう簡単なことではなく、多くのビジネスリーダーが苦しんでいるのを見てきました。リスクを取ることの不安や過去の成功体験が足かせになるのです。私は常日頃、CEOをやっている仲間には「Be bold:常に大胆であれ」と言っています。自分やチームはビジネスを根本的に変革するために全力を尽くしているか、と。また、それに加えて顧客は誰であるか、顧客にとって重要なことは何か、どうやって顧客とつながり関係を築いて行くのか、顧客にとって自分たちのどんなところが評価につながるのか、など、ベーシックなことを確認します。 今私たちは前例のないほど強力な、顧客やコミュニティとのつながりを構築できるテクノロジーを手にしているのです。その機会は活用すべきです。

この機会を逃さないために

自分たちのビジネスプロセスは本当に顧客の課題解決につながっているのか、一度時間をとって考え、再構築する機会を持ちましょう
最近私たちテキーラ社は、あるラグジュアリー製品を扱うリテーラーと仕事をしました。。そのリテーラーは顧客との全てのやりとりを、全てのチャネルを網羅して把握できるようにしようとしています。テキーラはグローバル・カスタマー・サポート・ソリューションの海外展開をご支援しましたが、それによりカスタマー・サポートは受動的なクレーム処理ではなく、プロアクティブな収益部門になりました。

過去の失敗や成功体験にとらわれないように
こうしたことはKodakやHMV、Blockbusterなど多くの企業がおかした失敗です。1999年にBlockbuster videoのCIOにお会いしたことがありますが、そこで私が”デジタル配信的な何か”を検討するべき時が来ている、というアイデアを話したときのことが思い出されます。返事は「遅延金を取るのが一番儲かるのに、なぜそれを変える必要があるのか」、でした。似た業界の話としては、2012年の年末、Time WarnerのCEOがNetflixが競合になり得るかという質問への回答が思い出されます。「アルバニアの軍隊に世界制覇の可能性があるかという質問と同じだね。」と。 2014年8月にはNetflixの4半期の収益はHBOを超え、その後も急速に成長しています。

優秀なメンバーのチームを作って権限を与え、ビジネスのバリューチェーンの各パートがどのように顧客との関係構築に貢献できるかを考えさせましょう
単に手が空いているからとか、職業として”スペシャル・プロジェクト”を渡り歩いているような人をプロジェクトにアサインするのはやめましょう。チームの中でも最も優秀で、その人なしにはビジネスが成り立たないと思えるような人をアサインすると良いです。彼らに自由にさせて結果を待ちましょう。

ビジネスプロセスを最良のテクノロジーを使って実現しましょう
クラウドベースのテクノロジーにモバイル技術を組み合わせると、想像以上に効果を発揮し、変革の推進力となります。私たちテキーラはモバイルを中心に戦略を立てるべきだとすら考えています。 モバイル固有の機能を活用すれば、例えばGPSデータを使って営業員やサービスエンジニアの位置を補足、生産性向上に貢献したり、モバイルカメラでリアルタイムにプロセスのエビデンス取得や重要データの記録をしたり、ユビキタスで低コストなスキャン技術をデータエントリーの最小化に活用したり、リアルタイムにエンドユーザーのデバイスにつながったり、リアルタイム・アジャイル・マーケティングにインメモリデータ処理を使ったり、ユーザーへのアラート発信にbluetoothの省電力ビーコンを使うなど、それぞれに最適なオファーを作る。 これらは今とっさに考えた例にすぎませんが、こうしたたくさんの選択肢が今あるということは現実なのです。

 

これはマイノリティー・レポートの世界ではありません。実際に起こっていることです。そして既存のビジネスモデルの内側にいる者にとって最も恐ろしいことは、こうしたことは最近の若者にとっては当たり前のことで、彼らは家のガレージで今もあなたのビジネスに革命を起こしつつあるということです。 最後にピーター・ドラッカーの言葉を引用します。

“The greatest danger in times of turbulence is no the turbulence; It is to act with yesterday’s logic.”
“混沌とした時代において最も危険なのは、混沌そのものではなく昨日と同じ論理で行動することだ。”

 


Contributor

Mark Wakelin, CEO, T’quila Ltd.
Posted by Tquila on 1 November 2014
※このページは英国テキーラ社のメンバーが執筆したものを翻訳しています

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