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エキスパートに聞く テクニカルアーキテクト 福丸慎治

 2016.05.28 Pasona Tquila

Salesforceが最適な性能を発揮するためにはポイントがある

 Salesforceが最適な性能を発揮するためにはポイントがある

テクニカルアーキテクト 福丸慎治

2016年現在では、ある保険会社の案件を担当しています。昨年末から継続して取り組んでいますが、具体的には、Salesforceを利用したコールセンター向けシステムの構築です。本当にすべてのデータが必要なのか、といった条件を検討して、最適な性能を発揮できるように調整することが重要なのです。その中で、私は大量のデータを扱うために性能を確保する技術に取り組んでいます。

Salesforceには、膨大なデータを登録できます。しかし、通常のデータベースと同様、データを無計画に登録してしまうと、例えば、100万件を登録したけれども 検索に30秒もかかる、という実用性の低いシステムになってしまいます。検索のキーとなるインデックスをどの項目に設定するのか、本当にすべてのデータが必要なのか、といった条件を検討して、最適な性能を発揮できるように調整することが重要なのです。

データ連携分野での豊富な経験をSalesforceプロジェクトでも

これまでに、いろいろなシステム構築に携わってきましたが、その中でも 私が得意としている分野がデータ連携です。以前、データ連携の製品を扱っている企業でインテグレーションを主体としたプロジェクトに長く携わっていたこともあり、あるシステムから別のシステムにデータを移管するとか、複数のシステムから必要なデータを取り出して連携させる、といったシステムの構築を得意としています。現在の案件も、すでにオンプレミスのデータベースで管理している膨大なデータをSalesforceに移管するプロジェクトです。

かつて、国内で最大級のデータベースをSalesforceで構築したことがあります。そのデータ量は、数千万件から一億件に及ぶもので、そこから必要なデータを短時間で検索するために、Salesforceの制約を踏まえながら1回のクエリで取得するレコード数を検討し、インデックスやリレーションをどのように構築するかを設計し、実装してきました。

将来を見越してSalesforceのパフォーマンスチューニングを実現

Salesforceにおいても、単に構築するだけではなく 継続的な運用で性能を劣化させないための対策が必要です。あるお客様では、全国に2万を超える拠点があり、そこから一斉にSalesforceに対してアクセスされるので、とても多くのリソースが消費されます。その負荷を分散するための工夫や、データの量が無制限に増えないようにするためのデータのライフサイクル管理など、多くの対策を施してきました。アプリケーションの作り方や設定の仕方で、導入当初はストレス無く利用できたとしても、その後データ量の増加と共に使いづらいものになり、結果として使えないシステムなってしまう事もあるため、その後の使い勝手を最初から考慮する必要があります。

クラウドとオンプレミスのインテグレーションが今後の鍵になる

話は少しそれますが、少し前に、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)という、業務管理の手法が注目されていました。業務プロセスをモデル化して管理することで、課題の分析から、新たな業務プロセスの創出を目指す取り組みです。クラウドによって部門ごとの業務システムが連携し合えるようになれば、これまで実現がなかなか難しかったBPMも推進することができると思います。

しかし、その場合課題となるのがやはりオンプレミスのシステムとの棲み分けでしょう。クラウドといえども全てのシステムがクラウド化できるわけでもなく、また極めて高いレイテンシ性能が求められる様な領域にはクラウドは向いていません。インターネットを介して物理的に距離が離れたサイトにアクセスするには、それだけ遅延が発生するためです。従って、クラウド化できる領域とオンプレミスにとどまった方が良い領域は自ずと決まってくると言えます。

クラウドでできることは日々進歩しています。現在のクラウド利用は、どちらかといえば情報系システムが中心ですが、やがて基幹系システムへの導入が促進されていけば、投資対効果の高いBPMも提案できると思います。そのときに、自分の培ってきたデータ連携技術によって、一気通貫にデータが部門間で交換できるようになれば、理想的な業務改善の情報基盤が構築されると思います。

今後は、クラウドとオンプレミスのシステムをデータ連携するという観点でのインテグレーションの需要が高まると予測しています。そのときに、我々のクラウドインテグレーションサービスが中核のソリューションとなって、多くのお客様の課題を解決できるように努力してまいります。

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