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Salesforce管理者向け 年度替わりの作業(前編) ~当日までの準備~

 2018.05.18 support_service_team

こんにちは、アドミニストレーターの下重です。

会社の会計年度4月始まり企業向けにSalesforce組織のシステム管理者として私が実際に経験した調査や作業について紹介します。

今回は前編ということで、年度替わり当日までに行う準備・調査作業について説明していきます。 

Salesforceの年度替わりって……?

Salesforceアドミニストレーター資格に合格して、晴れて、会社のSalesforce管理者に任命されたあなた。標準機能の使い方や設定方法についてはだいぶ慣れてきて、わからないことがあれば、ヘルプやTrailheadで調べて解決できるようになり、落ち着いた日々をお過ごしのことでしょう。

そんな中、上長から「3月末で年度が切り替わるんだけど、Salesforceでやることあれば準備進めておいてよ」という、ざっくりとした指示を受けたとします。

年度替わりのタイミングで… Salesforceでやることって……?

  • そもそも何をすれば良いの?
  • 何から手を付ければ良いの?
  • 準備する期間ってどれくらいかかるもの?

とりあえずネットで調べてみますが、「カスタム会計年度」のことしか出てきません……orz。担当する組織によって様々なので、この辺のことって調べてもわからないことかと思います。

今回は私の担当する組織で、実際に行った年度替わり作業について紹介します。参考にしていただければ幸いです。

年度替わり当日までの準備作業

前提条件

今回は「 3/31~ 4/1 」にかけて定常勤務時間外に年度切替に伴う本番作業が行われると仮定します。 
■準備期間は「 3/1~3/30 」までの約1ヵ月間仮定します 

①不足ライセンス数の調査

年度替わりに伴う入社・異動などで、ライセンス数が不足する場合があります。ライセンス契約は年単位または複数年単位で締結されますので、今年度不足する数についてユーザ部門や関連部門の責任者とMTGを重ねて、追加購入すべきライセンス数を決めていきましょう。

なお、ライセンス契約の開始日終了日・更新申請期限はSalesforce組織単位で異なるものです。会計年度とは別で管理が必要ですので、毎年繰り返しのToDoなどを設定して、調査・申請漏れのないようにしましょう。万一、ライセンス数の削減が必要となる場合は、ライセンス更新期限日までにセールスフォース社担当者様へ連絡する必要があることも、覚えておいてください。 

ライセンス数の検討

年度替わり作業実施時のサービス停止時間帯の検討 

システム管理者3月31日の夜から 4月1日の朝にかけて作業を行うと仮定します。その間サービス停止が必要な場合には

  • 何時から止めて良いか?
  • 何時から再開するのか?

を決めて早めに社内に告知しておきましょう。 

私はプロファイルのログイン時間帯制限機能を使ってステム利用停止を実装しました。 

年度切替時のサービス停止時間帯の検討

【ポイント】
本番環境に直接設定するものなので、年度替わり作業を実施する週になったら実装します。再開する日の時間設定は終日ログイン不可に設定しておくと良いです。作業が予定より伸びてしまった場合、再開時間を再設定するのは面倒ですので。

③企業の組織変更に合わせたロール構成の検討・変更

ロールが決まらないとそれに伴う変更箇所(共有ルール、ワークフロー、入力規則など)が決まらないので、まずはここから考えましょう。組織の変更が事前に教えてもらえない場合もあると思いますが、なるべく早くもらえるよう交渉してみましょう。

組織変更に合わせたロール構成の検討・変更

【ポイント】
ロールの変更内容が決まったら、実際に本番環境に反映していきましょう。もちろん現行のロールを変更してしまうと、影響が及びますので、全て新規で来年度分のロールを作成します(イメージとしては現行のロールのツリーと来年度分のロールのツリーが2つ存在する状態にします)。切り替え当日は古いロールの削除だけ行うようにしましょう。

ロールの変更に伴い、共有ルール、ワークフロー、入力規則などの変更が必要な場合は、変更内容をまとめておきましょう。変更セットを使用してSandboxから本番への設定移行ができるものについては、事前にSandbox上での設定を行い、必要に応じてテストも実施します。 

④レポート・ダッシュボードの変更内容の検討

私の担当する組織では、レポート作成を行わないユーザに対して予め要望どおりのレポート・ダッシュボードを用意してあげています。来年度から用意するレポート・ダッシュボードについて追加・変更・削除が必要か検討しましょう。
 
【ポイント】
変更内容が決まったら、実際に本番環境に反映していきましょう。現行のレポートを変更してしまうと影響が及びますので、全て新規で作成します。(来年度分のフォルダを新規作成して、その中に来年度分のレポートやダッシュボードを格納します。※ユーザのアクセス権限はなし)

切り替え当日はフォルダへのアクセス権限の設定だけ行うようにしましょう。アクセス権の設定を変更しておけば、古いレポートフォルダはユーザからは見えませんので翌日以降にゆっくり削除でOKです。

⑤Salesforce利用ユーザの検討

年度替わりに伴い、人の異動がある場合、Salesforceを利用する部署から利用しない部署への異動、その逆もあると思います。来年度、Salesforceを利用するユーザを検討しましょう。大人数が異動する場合、「データローダ」を使用してロールや所有権などの一括変更も可能です。 
 
【ポイント】
データローダで一括変更する場合、CSVファイルの準備をしておきましょう。すでに来年度分のロールも作成してある状態なので、ロールIDも取得できます。更新項目としてCSVファイルに含めておきましょう(数名の変更なら一人ずつ画面から変更してもOKです)。

Salesforce利用ユーザの検討

⑥レコード所有者の変更内容検討

私の担当する組織では、年度替わりでの組織変更や人の異動に伴い、ユーザの所有する商談データについて、次の担当者へ引き継がれることが多発します。そのため、商談所有者を一括で変更してほしいと依頼されます。

まずは、全商談データの一覧資料を用意して、変更後の所有者を検討してもらいましょう。もちろんレコードの所有者は画面からも変更可能ですので、ユーザに対応してもらえるようであればお願いするという手もあります。

レコード所有者の変更内容検討

【ポイント】
年度切り替え当日までに引き継ぎ先のユーザが確定できないこともあると思います。年度切り替え当日と その1~2週間後ぐらいの2回に分けて実施するようにするとスムーズに進められると思います。

次回予告

次回のテーマは「Salesforce管理者向け 年度替わり作業(後編)~当日の作業~」と題しまして、年度切替え作業当日の作業について紹介していきます。

  • 承認プロセスの代理承認
  • 積み上げ集計項目の再計算

など、この辺りのことも紹介したいと思いますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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