CRMとは?5分でその全貌を解説

 2018.03.22 Pasona Tquila

RM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは本来、顧客情報を管理するためのITシステムではなく、顧客との良好関係を築くことでLTV(ライフ・タイム・バリュー)、すなわち顧客生涯価値を高めるためのマネジメント手法です。

「安くて良い商品」が当たり前の時代、企業は低価格かつ高品質な商品を提供するだけでは、十分な利益を確保できなくなっています。そこで多くの企業は、顧客との関係性をいかに管理していくのかという課題に直面してITシステムとしてのCRMを導入しました。顧客との良好関係を築き、顧客を囲い込むことで高い利益を確保しようというわけです。

本稿では、こうしたCRMをまだ導入していない企業に向けて、今さら人には聞けないCRMの全容を解説します。自社の販売力に課題があると感じている企業は、CRMへの理解を深め具体的な検討をしていただきたいと思います。

顧客が取引期間を通じて会社にもたらす利益のこと

CRMとは?

まずは改めてCRMの概要について解説します。

CRMの定義にはさまざまな説明があるため、独自に情報収集すると混乱してしまう方が多いかもしれません。ただし、その本質はすべて同じであり、ここではCRMの定義を次のものとします。

「顧客を適切に識別し、ターゲットとする顧客の満足度と企業収益の両方を高めるための経営における選択と集中の仕組み」

これはつまり、顧客情報を適切に管理して、ターゲットとなる顧客の満足度を高め、ひいては企業収益の拡大につなげるための戦略、となります。

なぜCRMは必要なのか?

バブル崩壊(1991年3月から1993年10月までの景気後退期)や人口減少による少子高齢化の波を受けて、1990年代中頃から2000年代初頭にかけて徐々に「商品が売れない時代」へと突入していきます。

たとえ高価格でも高品質なら問題なく売れる、という時代は終わり、「低価格高品質」が注目される時代が始まりました。この時企業として飛躍的に成長したのがユニクロやダイソーといった、現在では日本を代表する低価格高品質ブランドです。

しかし、低価格高品質ならモノが売れるという時代も、徐々に終わりを迎えていきます。バブル期に比べて成長の速度は圧倒的に低下したものの、20年以上にわたる歳月をかけて、日本経済は徐々に回復していきます。

インターネットと家庭用PCの普及、スマートフォンやタブレットの普及と相まって、消費者が自身で情報収集した上でモノを購入する「本当に買いたいモノを買う時代」に突入しました。

こうした中、企業が自社商品やサービスを売り、十分な利益を確保するためには高品質な商品やサービスを提供するだけでなく、顧客満足度を高める取り組みを実施して、自社へのロイヤリティ(愛着や忠誠心の意)を向上することが強く求められています。

そこで注目されたがのCRMというマネジメント手法および、それを実現するためのITシステムです。CRMを実行して顧客ロイヤリティを高めることで、LTVを向上して十分な利益を確保します。

CRMの具体的なアクションとは?

CRMでまず大切なことは顧客情報の蓄積です。CRMを導入していなくても、すでに顧客データベースでお客様情報を管理している企業は少なくありません。データベースソフトウェアであるAccessなどを使用すれば、顧客情報を管理するためのデータベースは簡単に作成できます。しかしその多くが、顧客の基本情報と購入履歴情報の管理のみで止まってしまっています。

CRMで管理する顧客情報は多岐にわたります。顧客の基本情報や購買履歴情報はもちろん、企業担当者の氏名や部署、決裁者の氏名、過去にコンタクトを取った際の内容、商談内容、自社営業担当者の情報など、顧客との関係上発生する情報のほとんどを管理します。

なぜここまで細かい情報管理を徹底するかというと、顧客一人ひとりの嗜好や課題を理解したう上で「One to Oneマーケティング」を実現するためです。

One to Oneマーケティングとはいわば、顧客一人ひとりに焦点を合わせてカスタマイズされたマーケティングやセールスです。顧客が持つ経営課題や悩み、要望などは顧客によって異なります。従って、顧客一人ひとりを深く理解することで初めて最適な商品やサービスを提供でき、ひいては顧客満足度向上や企業収益拡大につながるのです。

さらに、CRMは既存顧客だけでなく見込み客にも適用できるマネジメント手法であり、ITシステムなので、新規顧客拡大にも貢献します。最初は既存顧客にCRMを適用し、成功ノウハウを積み上げた上で新規顧客獲得にも適用していきます。

CRMの導入効果とは?

肝心なことは、CRMを導入してどのような効果があるから、顧客満足度向上や企業収益拡大といったメリットにつながるかを理解することです。

CRMを導入して最初に実感する効果はおそらく情報の一元化です。CRMのない環境では、顧客データベースによって基本的な顧客情報を管理していても、それを営業部全体や組織全体で共有する仕組みは持っていません。担当者や決裁者、商談内容などの最も重要な情報は営業ごとに属人化してしまい、他人からは見えないのが当たり前です。

果たしてこうした環境において、組織的なセールス戦略による顧客満足度向上は実現するでしょうか?答えは当然「No」です。顧客情報とは企業にとって価値ある資産です。それを営業部全体や組織全体で共有しなければ、One to Oneマーケティングの実現はまず無理です。

CRMによって顧客情報のすべてを集約して、組織的なセールス戦略に取り組むことで初めて顧客ごとに最適な商品やサービスの提供が可能になります。

もう一つ重要な導入効果はマーケティングの効率化です。従来のマーケティングというのは、担当者の経験や勘によって見込み客へコンタクトを取り、案件化して営業に受け渡すというのが一般的でした。しかし、こうした場当たり的なマーケティングでは成約につながる確率はかなり低く、大量の見込み客を創出することも難しいのが実情です。

マーケティング機能を有するCRMでは、定型的な作業を自動化し、効率良くマーケティングを展開することができます。あるいは、専用のマーケティングツールを連携することで、集約した顧客情報を最大限に活かせます。

経験や勘といった曖昧なものではなく、データ分析結果にもとづいたマーケティングによる大量の見込み客創出も可能です。

CRMは導入すべきか否か?

単刀直入に言えば、CRMは確実に導入すべきマネジメント手法およびITシステムです。たとえ商品力に自信のある企業でも、顧客ごとに最適なサービスやケアが実施できなければ顧客を競合他社に持っていかれてしまいます。反対に、多少商品力では劣る企業でも、顧客の声に耳を傾けて課題を深く理解し、常に最適な商品やサービスあるいはケアを提供できれば、十分な企業収益を確保できます。

従って、まだCRMを導入していないという企業は、本稿の内容を踏まえてCRMの導入をぜひご検討いただきたいと思います。CRMの正しい導入と運用によって、顧客満足度を高め、企業収益拡大を狙いましょう。

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